2006年9月23日、神奈川県川崎市の暗いトンネルで、アルバイトの女性Kさんが凶悪な犯行に遭い、命を奪われるという悲劇が発生しました。事件発生から11年が経過するも、警察は有力な手がかりを得られず、捜査は難航していました。しかし、2016年にある受刑者から届いたはがきが、この未解決事件を動かすきっかけとなりました。
はがきを送ったのは、2007年に同様の手口で女性を襲ったS容疑者でした。彼は懲役10年の判決を受けており、自身の過去の犯行について話したいとの内容が書かれていました。神奈川県警はSの供述を受け、再捜査を開始。彼は事件への関与を認め、Kさんの事件についても詳細を語りました。
S容疑者は、家庭環境や過去のトラウマから精神的に歪んだ性癖を抱えており、女性に対する凶悪な欲求を持っていました。事件当日、Kさんを狙った理由は、「苦しむ顔を見たかった」という衝撃的なものでした。Sは女性を襲うためにトンネルを徘徊していたと供述し、犯行の際には冷静にKさんを刺したとされています。
逮捕後、Sは精神鑑定を受け、性思考障害や人格障害の診断を受けました。裁判では、Kさんを刺した理由が性的欲求に基づくものであることが明らかになり、2020年には懲役28年の有罪判決が下されました。現在、彼は黒羽刑務所に服役中ですが、再犯の恐れがあるかどうかは不明です。
事件から11年を経て、ようやく解決を見たこの事件は、社会に大きな衝撃を与えました。Sのような凶悪犯から市民を守るためには、さらなる対策が求められています。