俳優の下條アトム(しもじょう・あとむ)さんが1月29日に死去したことがわかった。78歳。所属事務所のトム・プロジェクトが13日に発表した。葬儀は近親者のみで執り行った。
【写真あり】下條アトムさんのナレーションが人気だった「世界ウルルン滞在記」
事務所は「2023年9月に急性硬膜下血腫を患って以来、闘病生活を送ってきましたが、体調が急変し都内の病院にて息を引き取りました」と訃報を伝え「応援してくださった多くの皆様、お世話になりました関係者の皆様の生前のご厚誼に深謝いたしますとともに謹んでお知らせ申し上げます」と感謝。「また故人の遺志により、お別れの会などは予定しておりません」とした。 下條さんは1946年11月26日生まれ、東京都出身。
俳優・下絛正巳さんと元女優の田上嘉子さんの間に生まれ、69年放送のNHK連続テレビ小説「信子とおばあちゃん」でドラマデビューし、その後「藍より青く」「マー姉ちゃん」など朝ドラに多数出演。日本テレビ系「太陽にほえろ!」や「火曜サスペンス劇場」シリーズ、テレビ朝日系「相棒」シリーズや「土曜ワイド劇場」などで名脇役として重宝された。
声優としても活躍し、海外吹き替えでは、俳優エディ・マーフィの吹替作品を多く担当。「エディ・マーフィでおなじみの下條アトム」と称された。また、ナレーターを務めたTBS系「世界ウルルン滞在記」は広く知られ、「出会ったぁ~」などの独特の口調を生み出した。
俳優・声優・ナレーターと幅広く活躍した下條さん。急性硬膜下血腫発症前に収録し、昨年10月から放送されたテレビCM味の素「生オリーブオイルソース 瀬戸内レモン」のナレーションが最後の仕事となった。