6日に東京都渋谷区の自宅浴室で死亡した状態で発見された女優で歌手・中山美穂さん(享年54)の葬儀・告別式が12日、都内の斎場で営まれた。元夫でミュージシャン、作家・辻仁成氏(65)は同日に自身のブログを更新していた。
美穂さんは辻氏と02年に結婚し、パリへ移住。04年に長男が誕生した。周囲に「かわいくて仕方がない」「子供の笑顔を見ると幸せ」などと愛情を周囲に語っていた。だが、14年に離婚。親権は辻氏が持ち、美穂さんは離婚後、約10年間長男と会っていなかった。
その一人息子が訃報を聞き、パリから駆け付け、母親と最後の時を過ごした。12日の葬儀には参列しなかったが、遺体が安置されていた自宅で無言の対面をしていた。
喪主を務めた美穂さんの妹で女優・中山忍は「何より姉が幸せを願ってやまない愛する息子と、再会の時間をもたせてあげることができました。手を繋ぎ、そっと寄り添う2人の姿は、とてもとても幸せなものでした」とコメントを発表していた。
同日にブログを更新した辻氏は「某月某日、今日はずっと海を見ていた」と切り出す。「ノルマンディの曇り空を眺めながら、油絵を何枚か描いた。(何枚か、というのは、スケッチのような、ラフな下書きのようなもの、完成には程遠いもの)空と海の境目のあまりはっきりとしないあたりを眺めているのが落ち着くのだった」などとつづっていた。
また「寒かったが、夜は窓をあけ、浜辺を見て過ごした。12月のノルマンディは寒い。人っ子一人歩いていない。白波が、綺麗であった。寄せては返す波の、四重奏のごとき音を聞きながら、心の平均律を保った」とし「それでも人生はつづく」と結んでいた。