落語界の重鎮、桂ざこばさん(76)が12日午前3時14分、自宅で亡くなったことが、所属する米長事務所から発表されました。葬儀は家族で行われ、後日お別れの会が予定されています。
桂ざこばさんは、独特のキャラクターとユーモアで長年にわたり多くのファンに支持され、テレビやラジオのバラエティ番組でも活躍しました。彼の人生は波乱に満ちており、幼少期には両親の離婚や父親の自殺を経験。大阪府警察の職員だった父親を失った後、母と姉とともに生活を支え合いました。
中学時代、彼はアルバイトをしながら家計を助け、最終的には落語の道を志しました。3代目桂米長に弟子入りを希望し、厳しい指導のもとでの修行を開始。1963年に正式に入門し、以降は数々の舞台で実力を発揮し続けました。
彼のキャリアの中で特に注目すべきは、暴力団との対立です。1995年には、帰宅途中に暴力団に襲撃され、さらに自宅に火のついた物が投げ込まれる事件が発生しました。この襲撃は、彼が警察を支援する新作落語を披露していたことが関係しているとされています。
それでも、桂ざこばさんは活動を続け、2006年には大阪のテレビやラジオで9本のレギュラー番組を持つまでになりました。晩年には健康問題も抱えながら、落語会の開催を希望していた彼の姿は、多くの人々に感動を与えました。
桂ざこばさんの死は、落語界にとって大きな損失です。その生涯にわたる活躍と、暴力団との戦いは、彼の強い意志と情熱の証でした。心よりご冥福をお祈り申し上げます。