中居正広が起こした事件の詳細が明らかになり、現在、世間の関心を集めています。フジテレビとその親会社であるフジメディアホールディングスが設置した第三者委員会の調査報告書が発表され、2023年6月2日に中居正広が女性アナウンサーに対して性的暴力を行ったと認定されています。この報告書では、被害者との関係性を問わず、同意のない性的行為や心理的な威圧を含む広範な定義が示されています。

調査においては、女性Aと中居正広の双方にヒアリングを実施しようとしたものの、女性の側が全面的に協力する姿勢を示した一方で、中居側は守秘義務を理由にヒアリングを拒否したため、直接的な証言は得られませんでした。このため、報告書は主にフジテレビ関係者からの証言や資料を基に判断を行っています。

報告書は、性暴力が重大な人権侵害であり、権力の不均衡や共演による上下関係が影響していると指摘しています。また、中居が守秘義務を解除しなかったことも問題視され、調査の透明性が損なわれたことが強調されています。フジテレビの対応についても批判が寄せられ、被害者救済を怠ったとされています。

さらに、調査報告書では中居正広が女性Aに送ったメールのやり取りも明らかになりました。中居は会食に誘い、最終的に2人きりの食事になる流れが示されている一方で、女性側は当初、他のメンバーも参加する会合と考えていたと主張しています。このような誘い方が、権力差を利用したものとして批判されています。

加えて、報告書では「タレントU」という存在にも言及されています。これは、2021年12月に行われたスイートルームの会に関連しており、当時フジテレビの元幹部が高額な料金でスイートルームを抑え、中居やタレントU、女性アナウンサーが呼ばれていたとのことです。この会合では、女性アナウンサーが意図的に置き去りにされ、中居とタレントUだけが残る時間帯があったとされています。

タレントUに関しては、その正体は不明ですが、フジテレビに影響力を持つ人物である可能性が指摘されています。ネット上では多くの憶測が飛び交っており、名指しされたタレントの中には有名な芸人の名前も挙げられていますが、確たる証拠は未だに公表されていません。

今回の事件は、フジテレビだけでなく日本のメディア・エンターテイメント業界全体の構造的な問題であるとの見方もあります。報告書は、業界内に残るセクハラや枕営業といった問題を指摘し、被害者が声を上げづらい環境が整っていることを警告しています。今後、業界全体での人権意識の向上が求められています。

第三者委員会は、再発防止に向けた提言を行い、被害者への謝罪やコンプライアンス体制の強化を求めています。中居正広の事例が、今後の業界改革のきっかけとなることが期待されます。