角田夏実選手が悲願の金メダルを獲得した。2024年パリオリンピックの柔道女子48kg級で、角田選手は7月27日、シャンドマルスアリーナで行われた試合において、見事な戦績を収めた。彼女は初戦を開始45秒で一本勝ちし、続く2回戦でも南アフリカの選手を相手に1分11秒で腕十字固めにより勝利を収めた。準々決勝では、最大のライバルとされるフランスの選手を友投げで圧勝し、決勝進出を果たした。
準決勝では、スウェーデンの18歳タラバブルファス選手と対戦。慎重な立ち上がりの中、試合は本戦の4分では決着がつかずゴールデンスコアに突入。延長戦で3度目の指導を受けたバブルファス選手に対して、角田選手は反則勝ちを果たし、辛くも決勝進出を決めた。この試合の判定に対しては、会場中からブーイングが起こり、ファンからは審判の質に疑問の声が上がった。
決勝戦では、モンゴルの選手と対戦した角田選手。試合の序盤から積極的に攻め続け、1分4秒で技ありを奪う。最後は寝技に持ち込み、本戦4分間を経て見事に金メダルを獲得した。これにより、女子柔道日本代表選手としては、谷亮子選手以来20年ぶりとなる500個目の金メダルを手にした。
角田選手は31歳という年齢での初出場であり、社会人になるまでオリンピック出場を考えたことがなかったと語る。千葉県八千代市出身で、柔道を始めたのは小学生の頃。高校時代には一度は柔道を辞めるつもりだったが、指導者の石渡明さんとの出会いが彼女の競技人生を大きく変えた。石渡さんの支えにより、彼女は柔道に対する熱意を再燃させ、世界選手権で3連覇を果たすまでに成長した。
試合中の戦いぶりや技術は、圧倒的な強さを誇り、全15試合を一本勝ちで終えた。特に、角田選手の得意技である腕十字固めは、彼女を「間接技の鬼」と呼ばせるほどの威力を持っている。また、彼女は技術の向上だけでなく、試合に対する心構えや精神的な成長も遂げてきた。
角田選手の金メダル獲得は、日本国内外から大きな反響を呼び、ファンたちは今後の試合への期待を寄せている。彼女の活躍によって、柔道界に新たな希望が生まれたことは間違いない。これからの試合でも、彼女のさらなる成長と活躍が期待される。