日本のブライダル業界に革命をもたらした伝説のウェディングドレスデザイナー、桂由美さんが2024年4月26日に94歳で逝去されました。彼女の死は多くの人々に衝撃を与え、深い悲しみをもたらしています。
桂さんは1932年に東京都で生まれ、今立女子大学を卒業後、フランスに留学。1964年には日本初のブライダル専門店をオープンし、当時の日本ではわずか3%の花嫁しか着なかったウェディングドレスを広める活動を始めました。彼女の道のりは平坦ではなく、着物業界からの圧力や注文キャンセルに悩まされる日々が続きましたが、それでも桂さんは決して諦めませんでした。
1981年にはニューヨークコレクションで代表作の「弓ライン」を発表し、世界的な注目を集めました。その後、彼女のドレスがチャールズ皇太子と大柳の結婚式で披露されると、一気に人気が高まりました。1993年にはローマ法王に最福を献上し、1999年には東洋人で初めてイタリアファッション協会の正会員に選ばれるなど、その名声は世界に広がりました。これまでに70万人以上の花嫁が桂さんのドレスを着用したとされています。
プライベートでは、42歳の時に元大倉賞官僚の義仁さんと結婚。二人の間には子供はいませんでしたが、お互いを深く理解し合える関係を築いたと言われています。独特なスタイルの結婚式や、互いの仕事を尊重し合う関係は、理想的な夫婦像として多くの人に称賛されていました。
桂さんのトレードマークであるターバンは、亡き夫の遺言を守り続けた結果であり、彼女のアイデンティティとなりました。彼女はまた、最近では日本の伝統技術を生かしたデザインにも挑戦し、パリコレでも高く評価されていました。
桂さんの業績を振り返ると、彼女が生涯にわたり多くの女性の夢を叶え続けたことが明らかです。「お金がないならレンタルでいいじゃない。ドレスを着る夢は諦めなくていい」という言葉は、多くの女性たちの心に響きました。
彼女の人生は、挑戦し続ける勇気や、仲間との絆、人との繋がりの重要性を教えてくれます。ファッションは単なる外見を飾るものではなく、愛情や思いやりがあってこそ最高の作品が生まれるというメッセージは、今も多くの人々に影響を与えています。
桂由美さんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。彼女の残した遺産は、ファッション業界だけでなく、多くの人々の心の中で永遠に輝き続けることでしょう。